病棟において看護師が患者に処置を行う際のやり方のことを看護方式といいます。看護師によって処置方法に差が出てしまうことを防ぐために、病院に必ず導入されています。看護方式とは、どのように看護師がチームを組んで1人の患者のケアに当たるのかを決めた指針です。看護方式と一言で言ってもその種類はさまざま。病院によって採用されている看護方式は異なります。例えば、チームナーシングという看護方式は、患者1人に対し看護師数人がチームで看護を行うというものです。このため、1人の患者に複数の看護師が担当としてつくようになり、チームはリーダーを中心として患者のケアに当たるようになります。こうすることで、全体的に質の高いケアの提供に繋がるほか、ケアの質も一定に保ちやすいといったメリットがあります。

逆に、患者1人に対し看護師1人が看護を行うプライマリーナーシングという看護方式も有名です。入院から退院まで1人の看護師が専属でサポートを行うため、患者との信頼関係を構築しやすいというメリットがあります。看護師の自主性や主体性を重視している病院で採用されていることが多い看護方式です。ほかにも、チームナーシングから派生した固定チームナーシング、プライマリーナーシングと固定チームナーシングを混合したモジュラーナーシングなどがあります。いずれの看護方式も病院や病棟の方針に則って採用されているシステムなので、転職や就職をする際には、志望の職場の看護方式と自分の考えがマッチしているかどうかを検討することも必要でしょう。